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親知らずを抜歯した後が黒いのはなぜ?穴は正常に治る?

2022.07.26

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親知らずを抜歯してしばらくすると、抜歯した部分が黒っぽく見えるようになります。傷口が黒いと「何かの異常では?」と不安になる方もいらっしゃいますが、これは抜歯によってできた穴が正常に治る過程で起こるものですので安心してください。反対に、傷口の黒い部分を無理に取り除いたりすると、穴が正常にふさがらないおそれがあるため注意しましょう。
ここでは、抜歯後の穴が黒くなる原因や穴がふさがるまでの期間、抜歯後の穴のお手入れについて詳しくご紹介していきます。

抜歯後の穴が黒くなる原因

親知らずを抜歯した部分に見える黒いものの正体は「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊です。親知らずを抜歯すると一時的に骨が露出した状態になりますが、周囲の歯ぐきや骨からの出血により空洞内に血液が溜まります。空洞が血液で満たされると、やがてその血液が固まり”かさぶた”のようになります。これが「血餅」です。
血餅には抜歯後の出血を抑えたり、骨の露出を防いで傷口が正常に治るのをサポートしたりする役割があります。抜歯した穴が血餅でふさがれると、やがてその血餅が新しい歯ぐきや骨に置き換わり、元の正常な状態へと治っていくわけです。
もしこの血餅がはがれてしまうと骨が露出してしまうため、外部の刺激や細菌の侵入により激しい痛みをともないます。また、抜歯後の穴を正常な組織に戻す素(もと)がなくなるわけですから、傷口の治りも悪くなってしまいます。したがって、気になるからといって血餅を無理に取ったり剥がしたりしないようにしましょう。

抜歯後の穴がふさがるまでの期間

血餅は抜歯をしてからおよそ2日程度でつくられます。抜歯後しばらくは、この血餅がかさぶたの役割を果たし、外部からの刺激や細菌の侵入から傷口を守ってくれます。
その血餅が肉芽組織から結合組織へと置き換わり、穴の入り口が歯ぐきでふさがれるのは抜歯後およお1か月程度ですが、完全にふさがるまでは半年から1年程度かかります。
ただ、この段階ではあくまで表面的に穴が塞がっているだけで、その内側にはまだ骨などの組織は出来上がっていません。親知らずを抜いてできた穴が完全に元の状態に戻るのは、抜歯してから半年から1年ほど経ってからです。また、人によっては抜歯した穴の部分が完全には骨に置き換わらないケースもあります。

抜歯後の穴のお手入れ方法

ここでは抜歯後の穴のお手入れについて、「歯磨き」「うがい」「食べかす」の3つの項目に分けて解説していきましょう。

歯磨き

親知らずを抜歯した当日は、歯ブラシを当てると痛みや出血がひどくなる場合もあるため、抜歯当日は抜いた側の歯磨きは控えましょう。痛みがそれほど強くなければ、抜いた部位の反対側(右の親知らずを抜いた場合は左側の歯)は歯を磨いても問題ありません。ただ、血餅が取れてしまうため 口をゆすぐ回数を控えましょう。(※下記の「うがい」の所もお読みください。)
翌日以降、痛みや腫れがなければ普段通りに歯磨きを行っても問題はありませんが、抜歯した部分に歯ブラシを当てるのはしばらく控えてください。抜歯した部位に歯ブラシが当てられるようになるのは、およそ1週間後です。ただし、抜歯後の痛みや腫れ、傷の治り方には個人差がありますので、まずは担当医からアドバイスをもらいましょう。

うがい

親知らずを抜歯した当日は、1日を通して血がにじむ程度の出血があります。ただ、この際にお口を強くゆすいでしまうと、血餅が正常につくられないおそれもあるため注意が必要です。抜歯当日は極力うがいを避け、出血が気になる場合は清潔なガーゼを噛むなどして対処しましょう。また、抜歯後1週間ほどは血餅がはがれやすいため、強くゆすいだり勢いよく唾を吐き出したりする行為は控えてください。

食べかす

抜歯した部分が血餅で覆われても、ご飯粒など小さな食べかすが穴に入ってしまうことはあります。ただその場合も、無理に食べかすを取るようなことは控えるようにしてください。無理に歯ブラシや爪楊枝などで取り除こうとすると傷口をさらに傷めてしまうほか、血餅が剥がれおちてしまうおそれがあります。どうしても気になる場合は、患部に力が加わらないように軽くゆすぐか、もしくは歯科医院で取り除いてもらうようにしましょう。さらに、抜歯後しばらくは抜いた側で食べ物を噛まないようにすると、穴に食べかすが入りにくくなります。仮に食べかすがうまく取れない場合でも、食べかすを巻き込んだまま傷が治るということはありませんのでご安心ください。

まとめ

親知らずを抜歯した部位に見える黒いものは「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊で、抜歯後にできた穴を元の正常な組織に置き換える役割があります。血餅がうまく作られなかったり、途中で剥がれたりすると、抜歯後の予後が悪くなるため注意が必要です。
抜歯前は、寝不足や体調が優れない場合に抜歯をしてしまうと、腫れたり、痛みが増長する場合がありますので、体調が優れた時に抜歯する事をお勧めします。
また、抜歯当日は歯磨きやうがいのほか、入浴や飲酒、激しい運動など血の巡りがよくなる行為も控えるようにしてください。抜歯後の穴の表面がふさがるまでには1か月ほどかかりますので、それまでは患部をあまり刺激しないようにしましょう。

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